老婆は一日にしてならず

少女が老婆になるまでの日記

ミックスについての話

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 主観的で誰にも何にも参考にならない話をするけども。


 DTMをやり始めて十数年経った。いろんな意見があると思うけどやっぱりDTMは面白い。楽器に情熱を注げない私からすると、プラグインをダウンロードするだけで様々な音色で遊べるなんて、自由でわくわくする。

 しかし、そんなに自由なDTMでも、結局はドラムやギターの打ち込みは実際の楽器の奏法に沿って打ち込まれることが殆どで、何故?となる。理由は明確で、現在のプラグインで表現できる音色では、どうしても打ち込みらしさの違和感の方が勝ってしまうからだろう。奏法を現実の楽器に寄せることで、その違和感を軽減しているように思う。

 つまるところ、プラグインから出る音は整いすぎている。全く同じ音量で、同じアタックで、同じリリースの音が連続で出ることはアナログだとまず有り得ない。私が使っているような無料VSTでは、そんな有り得ない音が普通に出る。

 テクノの代表といえばの、YMOkraftwerkは同じ音を繰り返し使うじゃないか、と言う人もいるだろうけど、あれらが使っている楽器であるメロトロンやモーグシンセはそもそもアナログ楽器だし、仕組みからして音の揺らぎがある。私たちはあの揺らぎに対して、あたたかい音だとか、魂のこもった音だとかの感想を持つのではないかと思う。


 そう思った私がDTMをやる上で気をつけているのは、できるだけ音をランダム化させるということ。

 最近ではヒューマナイズ機能が備わっているDAWもあって、打ち込んだ音のタイミングをランダムにずらしてくれるらしい。もちろんそれも大事だが、私の使っている激安DAWの Reaperにはそんな便利機能はない上、私の作風上それが有効的に使えるとも思えない(人力ヒューマナイズはしているけども)。ていうか、タイミングがズレても肝心の音そのものが同じなら、完全な解決にはなっていないように思う。

 問題なのはソフトシンセらしい"整った音"が非常にチープな耳障りだということで、これを解決するためにさまざまなエフェクトを試した。


 中でもしっくりきたのは、アンプシミュレーターだった。

 アンプシミュレーターが何なのか、私には難しくて説明ができないが、名前の通りアンプに似た音を生成してくれるプラグインだ。アンプと言ってもいろいろある。ギターアンプとか、真空管アンプとか、本当にいろいろ。ギターアンプを知っている人なら、アンプってすごく歪むイメージがあるだろうけど、全体的に見るとそんなことはない。油断していれば聞き逃すくらいの小さな変化を起こすだけのものも多い。

 シミュレーター化するアンプは多くの場合アナログアンプをモデルにしていて、音が揺らぐようになっている。それでもモデリングされてるなら結局デジタルなわけで、うまくいかないことも多いが、chorusエフェクトやEQなどでランダム性に近いものを元の音に与えた状態で、アンプシミュレーターにランダム化のためのヒントを拾いやすくしてあげる、などの措置をしている。

 これが私に取って結構おもしろポイントで、ミックスのときに一番楽しい。音が一つ一つ分離するより、混ざってしまって仕組みがよくわからないくらいが好き。どこまでいっても好みの問題だけどね。


 フォロワーさんがミックスについてツイートしていたので、そんなことをふと思って書いてみました。ぶっちゃけ詳しくないから間違ったことも言ってると思う。でも私の耳にはそれが合ってた、という話です。音楽たのしいね。